アドラー心理学研究会 第37回勉強会

160514アドラー心理学研究会代表の佐高 葵月代です。
5月14日(土)勉強会無事終了しました。
今回は初参加3名、総勢30名でした。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。

今回のテーマは「アドラー的 幸せの流儀」でした。昨年2月にも幸せをテーマにした勉強会を開催したのですが、『幸せになる勇気』を読まれた方も多いので、再度取り上げてみました。

アドラー的な幸せは、ズバリ「幸福とは、貢献感である」、と言い切っています。
貢献感といえば、共同体感覚に必要なものの一つです。

ここで、共同体感覚の定義の復習です。
アドラー心理学では、共同体感覚は、

(1)共同体に対する所属感、共感、信頼感、貢献感を総称した感覚や感情
(2)精神的な健康のバロメーター

ととらえており、

共同体は、自分が所属する身近なユニット=仲間の集まり と考えます。夫婦、家族、職場の部署、学校のクラス、部活動、所属する地域など。
そして、アドラー心理学では、共同体感覚には次の4つの感覚が必要だと考えます。

1.良いところもイマイチなところも含め、今の自分にOKと言える「自己受容」
2.私は共同体の一員だという「所属感・安心感」
3.共同体は、私のために何らかの役に立ってくれているという「他者信頼感」
4.私は共同体のために役に立ち、価値ある存在だという「他者貢献感」

アドラーも、「人は共同体の中で自分の存在価値を感じ続けるために生きている」と言っているように、アドラーの言う幸せとは「共同体の中で自分の価値を感じ、互いに貢献しあうこと」ということになりますね。

『幸せになる勇気』(238ページ)でも、「『私の幸せ』を突き詰めていくと、誰かの幸せにつながっていく」とあり、自分だけではなく、周りの人も一緒に幸せになることが大事なのかもしれません。

そして、幸せになるには課題分離も大事だと思います。自分が思っている幸せが、相手の幸せとは限りません。「あなたが幸せになると思って」は、自分のライフスタイルで、相手の幸せを計っていることになることもありますね。

今回は、共同体感覚が本当に幸せなのか?という検証することも含めて、2014年1月にNHKで放映された「白熱教室『幸福学』幸福学からみた幸せとは」の内容もご紹介しました。それによると、「幸福な人々とそうでない人の違いは、人との結びつき。自分が社会において貢献しているか、居場所があるか。頼れる人・支えてくれる人がいないと幸福度は低いと考えられる」ということで、科学的な調査の結果でも、共同体感覚は大切と考えられるようです。

そして幸福学全体を通して言えるのは、

・人間関係が幸福には不可欠
・嫌なことは起こるから受け入れる能力を高める=レジリエンス

ということのようです。このほか、2015年11月の「TED」に出演したロバート・ウォールディンガー(精神科医)のプレゼンテーションの内容にも触れました。とても興味深い調査の結果があります。「75年間に渡る研究で、定年退職後に一番幸福な人は、仕事仲間に代わる新しい仲間を自ら進んで作った人達だった」というものです。ご興味のある方は、Youtubeで見られますので、ご参考までに。
http://digitalcast.jp/v/23938/

今回の勉強会では、自分の幸福について考えたり、グループでシェアしました。
私たちは、漠然と「幸せになりたい」と思っていることが多いのではないでしょうか。
逆に、不幸なことに関しては、「あの人がいなければ」「お金さえあれば」「なんで私だけがこんな思いをするんだ」と、非常に具体的に考えているように思います。
幸せになるためには、不幸であることをやめることも大事なのではないかな。

最後に、参加者全員のフィードバックをいただきました。それぞれがこれから自分が幸福になるために、どうするかを発表しました。心にじんわり、そして熱いパッションを感じる答えもあって、それぞれの発言が勇気づけになりました。

そのほかに「私とアドラー」プレゼンコーナーでは、青木さんからライフタスクへの具体的な取り組みについて、自己開示と自己受容、共同体感覚に基づいた、たいへん心を打つ内容を発表していただきました。
青木さん、ありがとうございました。

今後も、アドラーを人生に取り入れた経験を発表する機会を設けたいと思います。

今後の予定は以下の通りです。

第38回 6月11日(土) 中研修室2(2F)
第39回 7月16日(土) 中研修室2(2F)
第40回 8月13日(土) 研修室5+6(3F)

下記のバナーからリンクしたページから、お申込みいただけます。
来月もみなさんにお会いできるのを、楽しみにしています!


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